はじめに
過去の記事でwgrib2のインストール方法を解説しましたが、5年以上経ち、最新バージョンではインストール方法が変わっているので、改めて手順の記事を書きます。提供元のサイトでも、引き続き元からあるオプションの解説(英語)を読むことができますが、ソースコードを含む最新情報はGithubに移動されています。

ここでは、最新版のwgrib2のインストール方法について、LinuxとWindows(WSL)で試した内容を解説します。
利用した環境は以下の通りです。
・Fedora 37
gcc/gfortran 12.2.1
cmake 3.26.3
・Windows 11
WSL2
Almalinux 9
gcc/gfortran 11.5.0
cmake 3.26.5
wgrib2 v3.7.0のインストール
インストール方法で以前と大きく変わっているのはcmakeを使う点です。それ以外は、あまり変わらず、ソースコードを適当なディレクトリで展開し、その中でビルドして、パスを通す、という感じです。まず、ソースコードを展開するディレクトリを作ります。
$ mkdir ~/installed/wgrib2
$ cd ~/installed/wgrib2
$ wget https://github.com/NOAA-EMC/wgrib2/archive/refs/tags/v3.7.0.tar.gz
$ tar -zxvf v3.7.0.tar.gz
$ cd wgrib2-3.7.0/
$ export CC=gcc
$ export FC=gfortran
$ mkdir build && cd build
$ cmake .. -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=/usr/local/wgrib2-3.7.0
インストール先にファイルを置くにはroot権限が必要です。
$ make
$ sudo make install
$ vi ~/.bashrc.d/wgrib2
---
export WGRIB2=“/usr/local/wgrib2-3.7.0/bin"
export PATH="${WGRIB2}:${PATH}"
---

WindowsのWSLでwgrib2を使う
WSLを使ってLinux環境を作り、そこにwgrib2を入れてみました。
WSLをインストールしていない場合は、スタートアップからWSLを起動するとPowerShellが起動して、何かキーを押すとインストールが始まります。
インストール後は、WSL Settingsを起動するとリソースの割り当て等をいろいろ設定できますが、ここではWSLの解説は省略します。
Microsoft Storeから「AlmaLinux 9」を「入手」すると、ディストリビューションの準備は完了です。



私の環境では、wgrib2のインストール前にgcc、gfortran、cmakeのパッケージをインストールしました。エディタは何でもよいですがviをインストールしました。
$ sudo dnf install gcc
$ sudo dnf install gfortran
$ sudo dnf install cmake
$ sudo dnf install vim
この記事を書いた人
K.Sakurai
気象予報士/技術士(応用理学)/防災士
総合気象数値計算システムSACRA、データ提供システムCOSMOS及びお天気データサイエンスの開発に一から携わる。
WRF-5kmモデルGPV、虹予報、虹情報、1㎞メッシュ雨雪判別予測データ、2kmメッシュ推計日射量、1kmメッシュ暑さ指数 、夕焼け情報 を開発。
夕焼け情報・虹情報は、大阪・関西万博会場サイネージでお知らせ表示中。
「ビジネス活用のための気象データ基礎研修」では講師を担当。
趣味はバドミントンと登山。