活用提案
登山者向け予報に必要な情報
標高の高い山の登山、特に雪山については、天気予報を確認して臨むことは基本です。また、気象に関する知識と準備だけでなく、必要な装備とトレーニング、経験を積むことも重要です。一方で、たとえ標高の低い山でも、登山者は気象に関する基本的な知識をもって、装備や危険(実施可否等)の判断を行うことは事故防止につながります。
普段身近で確認できる多くの天気予報(一般向けの予報)は、気象業務法の制限から、標高の高い場所の予報は発表されていません。それは、山岳地形によって複雑な気流が発生して予報が非常に難しいため、予測データに含まれる誤差を理解できる専門的な知識が必要だからです。登山者向けの予報(特定向けの予報:会員向けサービス等)としては、各データの特徴をエンドユーザーにも理解できるように情報提供する必要があります。
登山者向けの予報で意識しておくべきデータの特徴
登山者向けの予報で意識しておくべきデータの特徴をいくつか例示します。
数値予報モデルGPVの上空のデータ(気圧面データ)で高度別の風や気温の予測値が得られます。数値予報モデルの解像度は粗い場合が多いので、実際の風よりも滑らかで緩やかな風が出ると考えられます。数値予報モデルで表現できる標高も低いことが多いので、実際の気温より高く出ることがあります。
気象レーダー等で雨雲の位置を捉えることができます。山岳地域では、レーダーから遠く離れていたり、山に遮蔽されて、エコーが映らない場合もあります。また、気流が複雑なため、急激に雲が発達することがあるため、レーダーの時間分解能ではとらえられないこともあります。
強い雨が降るかどうかは降水量や雷の予報が参考になりますが、実際の現象の発生は位置がずれることがあるので、格子点データで周囲の状況も確認することが望ましいです。
これらは概念的な説明ですので、詳細は各データの技術資料等をご確認ください。
関連気象データ
気象庁データ
GSM-GPV(日本域0.1度×0.125度)
地球全体の大気を対象に、格子間隔(水平分解能)約13kmとして、未来の気温、風、水蒸気量、日射量等の状態について、スーパーコンピュータを用いて3次元の格子で予測した、全球数値予報モデル(GSM)の日本域の出力データで、2023年3月14日00UTCから運用開始の解像度0.1度×0.125度のデータです。 CSV形式は地上面のみです。 以前の解像度(0.2度×0.25度)のデータはこちらです。
気象庁データ
GSMガイダンス(格子形式)
全球数値予報モデル(GSM)から作成された格子形式ガイダンスです。
気象庁データ
MSM-GPV
メソ数値予報モデル(MSM)の出力データです。 CSV形式は地上面のみです。
気象庁データ
MSMガイダンス(格子形式)
メソ数値予報モデル(MSM)から作成された格子形式ガイダンスです。
気象庁データ
雷ナウキャスト
雷の激しさや雷の可能性について、現在時刻の解析および10分毎に1時間先までを予測したデータです。
気象庁データ
5分毎1kmメッシュ全国合成レーダーエコー強度GPV
気象庁が保有する気象レーダーで観測された、5分毎の1kmメッシュ分解能のエコー強度(レーダーで観測される換算降水強度)です。
気象庁データ
高解像度降水ナウキャスト
高解像度化した気象庁の気象レーダーや、国土交通省のXバンドMPレーダーネットワークの観測データを利用した、降水強度及び予測のデータです。 降水強度の初期値は、5分毎全国合成レーダー降水強度・エコー頂高度GPVに含まれている「5分毎250mメッシュ全国合成レーダー降水強度GPV」と同じです。 CSV形式は、250mメッシュの予測が提供される陸上と沿岸部に範囲を絞り、全国分を約600の小領域(約40km四方)別のファイルに分割して提供します。提供方法はリアルタイム配信(HTTP-GET)のみで、1つの配信設定につき、最大で9つの小領域まで取得可能です。
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